社会人が動画編集講座を選ぶ基準は「週に何時間確保できるか」と「受講料が教育訓練給付の対象か」の2点。給付対象なら受講費用の20〜80%が支給対象になり、実質負担は大きく変わります。
この記事でわかること
- 働きながら学ぶ場合に週何時間の学習が現実的かと、そこから逆算する受講期間の決め方
- オンライン完結型と通学ハイブリッド型の違い、社会人が挫折しにくいのはどちらかの判断軸
- 教育訓練給付の給付率(一般20%・特定一般40%・専門実践は最大80%)で実質負担がどう動くか
- 受講料以外にかかるソフト・パソコン・素材の追加費用という見落としやすいコスト
- 副業・社内活用・転職という出口別に見る講座の選び分け
公的情報源: 厚生労働省「教育訓練給付制度」(参照・2026年7月確認)/厚生労働省「教育訓練講座検索システム」(参照)
結論から整理します
社会人が動画編集講座を選ぶとき、最初に決めるのは「どのスクールか」ではありません。週に確保できる学習時間です。ここが曖昧なまま申し込むと、教材は良くても手が止まります。
次に効くのが費用の見方。表示された受講料だけで比べると判断を誤ります。教育訓練給付の対象講座かどうかで、同じ価格帯でも最終的な負担が変わるからです。
- 働きながらなら週5〜10時間が現実的なライン。ここから受講期間を逆算する
- ライブ授業中心の講座は挫折しにくい反面、時間の固定が必要。不規則勤務ならオンデマンド型
- 教育訓練給付は一般20%(上限10万円)/特定一般40%(上限20万円)/専門実践50〜80%(厚労省・2026年7月時点)
- 受講料のほかに編集ソフトの月額・パソコン・素材費が乗る。総額で比較する
- 出口が副業なのか社内での活用なのかで、学ぶべき範囲がそもそも違う
この記事は「20選ランキング」ではなく、自分に合う1本を絞り込むための判断軸を扱います。講座全体の選び方はリスキリング講座おすすめ比較に整理しています。
動画編集講座は社会人でも続けられるのか|週の学習時間から逆算する
結論として、続けられるかどうかは意志ではなく設計で決まります。先に「週に何時間出せるか」を確定させ、その時間に収まる講座を選ぶのが順序です。
平日の夜に毎日2時間を確保する前提で計画を立てると、多くの人が3週目あたりで崩れます。残業・体調・家庭の予定が入るからです。現実的には、平日2〜3日と週末の午前をセットにした設計のほうが続きます。

週の学習時間別・現実的な進め方
| 週の学習時間 | 向いている進め方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 3〜5時間 | 基礎操作に絞った短めの講座 | 短期集中型のカリキュラムは消化しきれない |
| 5〜10時間 | 6か月前後で作品を数本仕上げる標準プラン | 課題提出の締切がある講座のほうが進む |
| 10時間以上 | 短期集中で案件レベルまで一気に引き上げる | 繁忙期に破綻しないか事前に確認 |
※学習時間は目安です。カリキュラム量は講座により異なるため、想定学習時間は各講座の説明会で確認してください。
「受講期間が長い=安心」ではない
期間が長い講座は、たしかに余裕があります。ただ、期間だけ長くて締切がないと、後半に手をつけないまま終わることも珍しくありません。
大事なのは期間そのものより提出物のペースが決まっているかです。課題の締切、講師レビューの回数、質問対応の時間帯。この3つが自分の生活時間と噛み合うかを確認しましょう。
社会人向け動画編集講座の選び方|5つの判断軸
講座選びで比べる項目は多いようで、実質はこの5つに集約されます。順に見ていきます。
- 受講形式:ライブ授業/オンデマンド/通学ハイブリッド
- 質問対応の時間帯:平日夜・土日に対応があるか
- 制作課題の量と講師レビュー:作品が手元に残るか
- 費用の総額:受講料+ソフト+機材+給付の有無
- 出口支援:案件の紹介、ポートフォリオ添削、就職支援

受講形式の違い(社会人が見るべき点)
| 比較軸 | オンライン完結型 | 通学ハイブリッド型 |
|---|---|---|
| 学習時間の自由度 | 高い(好きな時間に視聴) | 中(校舎の開講時間に依存) |
| 続けやすさの仕掛け | 自己管理に委ねられる | 通う予定が強制力になる |
| 質問のしやすさ | チャット・オンライン面談中心 | 対面で相談できる回がある |
| 向いている人 | 勤務時間が不規則・地方在住 | 一人だと手が止まりやすい人 |
形式を選べる講座もあります。デジタルハリウッドSTUDIOのWebデザイナー専攻の就職プランは、完全オンラインとハイブリッド式を選べると案内されています。
出典は公式ページの表示(2026年7月時点)。動画系の専攻も含め、形式を選べるかどうかは社会人にとって効く条件です。
講師レビューの回数は必ず確認する
独学と講座の最大の差は、教材の量ではありません。自分の作品に他人の目が入る回数です。カット割りやテロップの間、音のレベル。ここは指摘されないと自分では気づきにくい部分になります。
レビューが「質問すれば答えます」だけの講座と、提出のたびに添削が返る講座では、半年後の完成度が変わります。申し込む前に回数を数字で聞いておきましょう。
費用と実質負担|給付金が使えるかで数万円変わる
動画編集講座の費用は、受講料だけを見ても比較になりません。給付の対象かどうかと、受講料以外の出費を足した総額で見ます。
厚生労働省の教育訓練給付制度では、講座の指定区分によって支給割合が異なります。2026年7月時点で公表されている内容は次のとおりです。
教育訓練給付の給付率(厚生労働省・2026年7月確認)
| 区分 | 給付率 | 上限額 |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 教育訓練経費の20% | 10万円 |
| 特定一般教育訓練 | 40%(資格取得等で50%) | 20万円(50%時は25万円) |
| 専門実践教育訓練 | 受講中50%/就職で70%/賃金上昇で80% | 年間40万円/56万円/64万円 |
出典: 厚生労働省「教育訓練給付制度」(参照・2026年7月確認)。給付には雇用保険の被保険者期間などの要件があり、誰でも受けられるものではありません。

仮の計算例(受講料30万円の講座の場合)
| 講座の区分 | 支給される見込み額 | 実質負担の目安 |
|---|---|---|
| 給付の指定なし | 0円 | 30万円 |
| 一般教育訓練(20%) | 6万円 | 24万円 |
| 特定一般教育訓練(40%) | 12万円 | 18万円 |
※上表は給付率から計算した仮の例です。実際の支給額・支給要件は個人の雇用保険加入状況と講座の指定区分により異なります。適用可否は必ずハローワークでご確認ください。
受講料以外にかかるお金を先に洗い出す
動画編集は、講座を申し込んだ時点では出費が終わりません。次の3つが後から乗ってきます。
- 編集ソフトの利用料:サブスクリプション型が主流で、受講期間中は継続して必要になる
- パソコンのスペック:書き出しが遅いと学習効率が落ちるため、買い替えが必要になる場合がある
- 素材・音源の費用:作品の質を上げようとすると、有料素材やBGMのライセンス費が発生する
講座の説明会では受講料だけでなく、ソフト代が受講料に含まれるのかを必ず聞いてください。ここが含まれるかどうかで、半年間の総額が数万円単位で動きます。
動画編集で学ぶ範囲|出口によって必要なスキルが違う
「動画編集を学ぶ」と一口に言っても、目指す先で必要な範囲が変わります。ここを合わせないと、学んだのに使えないという状態になりがちです。
- 副業で受注したい人:カット・テロップ・音の調整といった基本作業の速さと、納品のやり取りが中心
- 社内で動画を活用したい人:撮影から編集、社内共有までの一連の流れと、企画の組み立て
- 制作会社への転職を考える人:構成・演出の意図を説明できる力と、作品としてのポートフォリオ
- 短期間で高収入を期待している人:受注単価は経験・実績で大きく差があり、講座修了だけで収入が保証されるわけではない
- 制作物を作る時間を取れない人:動画編集は手を動かした量が成果に直結するため、視聴だけでは身につきにくい
- パソコン環境を用意できない人:スマホ中心の環境では課題制作が進みにくい
副業を視野に入れるなら、講座で作った作品をそのまま実績として見せられる形に整えられるかが分かれ目になります。収益化までの現実的な期間はリスキリング講座の比較記事でも触れています。
申し込む前のチェック手順|給付対象かどうかの確かめ方
講座ページの「給付金対象」という表記だけで判断しないのが安全です。指定講座は厚生労働省の検索システムで確認できます。手順は次のとおりです。
- 候補を3つに絞る:受講形式・課題量・費用の3軸で比較し、説明会に申し込む
- 検索システムで確認:厚生労働省の教育訓練講座検索システムで、講座名・スクール名から指定の有無を調べる
- ハローワークで要件を確認:自分の雇用保険加入期間で支給要件を満たすかを窓口で確かめる
- 受講開始前の手続きを確認:区分によっては受講前の手続きが必要になるため、申込前に順番を押さえる
- 総額で決める:受講料、ソフト代、機材、給付見込みを足し引きして最終判断
順番を間違えて先に申し込むと、給付の手続きが間に合わないことがあります。申込より先に窓口で確認する。これだけで取り逃しを防げます。
給付制度そのものの仕組みは専門実践教育訓練給付金で学ぶリスキリング講座の選び方に詳しくまとめています。
よくある質問
動画編集講座について、相談の多い質問を整理します。
Q1:社会人が動画編集を学ぶには週何時間くらい必要ですか?
講座のカリキュラム量によりますが、働きながらなら週5〜10時間を目安に組むと無理が出にくくなります。平日毎日2時間という前提より、平日2〜3日+週末の午前という配分のほうが継続しやすい傾向です。必要な学習時間は講座ごとに異なるため、説明会で想定時間を確認してください。
Q2:動画編集講座は教育訓練給付の対象になりますか?
講座によります。教育訓練給付は厚生労働大臣の指定を受けた講座だけが対象で、同じ分野でも指定の有無は分かれます。厚生労働省の教育訓練講座検索システムで講座名から確認し、自分が支給要件を満たすかはハローワークで確かめてください。
Q3:独学ではなく講座を選ぶ意味はありますか?
大きいのは作品に他人の目が入ることです。操作方法は無料の解説動画でも学べますが、テロップの間や音のレベルなど、独学では気づきにくい部分を指摘してもらえます。逆に、手を動かす時間を確保できない場合は講座でも成果が出にくくなります。
Q4:受講料以外にどんな費用がかかりますか?
主に編集ソフトの利用料、パソコンのスペック、素材やBGMの費用です。ソフト代が受講料に含まれる講座と別途になる講座があるため、総額で比較してください。書き出しが遅いパソコンだと学習効率が落ちるため、環境の確認も申込前に行いましょう。
Q5:講座を修了すれば副業の案件を獲得できますか?
修了が受注を保証するものではありません。案件の獲得は実績として見せられる作品があるか、納期や修正のやり取りに対応できるかで変わります。講座を選ぶ際は、ポートフォリオとして使える課題が残るか、添削を受けられるかを確認してください。
Q6:通学とオンライン、どちらが社会人向きですか?
勤務時間が不規則、あるいは通える校舎が近くにないならオンライン中心が現実的です。一方、一人だと手が止まりやすい自覚がある人は、通う予定そのものが強制力になるハイブリッド型が向きます。形式を選べる講座もあるため、説明会で相談してみてください。
まとめ:動画編集講座は「時間」と「総額」で選ぶ
社会人が動画編集講座を選ぶときの要点を整理します。
- スクール名より先に週の学習時間を決め、そこに収まる講座を選ぶ
- 受講形式は自由度(オンライン)か強制力(ハイブリッド)かで選び分ける
- 教育訓練給付は一般20%・特定一般40%・専門実践50〜80%(2026年7月時点)
- 受講料にソフト・機材・素材費を足した総額で比較する
- 出口が副業か社内活用か転職かで、学ぶべき範囲が変わる
まず候補を3つに絞り、説明会で「課題の量」「レビュー回数」「費用の内訳」を聞く。ここまで進めば、あとは自分の生活時間に合うほうを選ぶだけです。
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免責事項
※本記事は講座選びと公的支援制度の公開情報をもとにした整理です。給付率・上限額・支給要件・対象講座は制度改定や個人の状況により異なり、給付の適用や受講後の収入・案件獲得を保証するものではありません。最新の条件は厚生労働省の公式情報およびお住まいを管轄するハローワークでご確認ください。受講料・受講期間・カリキュラムは各講座の公式サイトで最新の内容をご確認ください。
