キャリアコンサルタント試験の合格率|学科と実技の違い【2026年】

キャリコン試験合格率の読み方

国家資格キャリアコンサルタント試験の合格率は、直近の第32回(令和8年7月)で学科54.8%・実技61.7%です。学科は回ごとに54〜80%台で振れ、実技は60%台で安定します。厚生労働省の公表値は2つの登録試験機関の合算のため、機関別は各団体の発表での確認が必要です。

この記事でわかること

  • 合格率は学科・実技・同時受験の3区分で見る、という読み方
  • 直近5回(第28〜32回)の合格率の推移と、学科が振れて実技が安定する理由
  • 2つの登録試験機関(協議会・JCDA)で合格率が違うのはなぜか、という仕組み
  • 学科70点・実技90点という合格基準と配点から見た難易度の実像
  • 養成講習の修了・実務経験3年など受験資格と、ルート別の合格状況

公的情報源: 厚生労働省「キャリアコンサルタント試験結果の概要」第28〜32回(一覧)/厚生労働省「キャリアコンサルタントになりたい方へ」(参照)/キャリアコンサルティング協議会「試験概要」(参照)

キャリアコンサルタント資格を取ろうと調べると、合格率の数字が記事ごとに違って戸惑います。これはどの回の、どの区分の数字かがそろっていないためです。講習そのものの選び方はキャリアコンサルタント養成講習の費用比較で扱っているので、本記事は合格率と難易度にしぼって整理します。

先に結論を書きます

合格率は「学科」「実技」「学科・実技の同時受験」の3つに分かれ、数字がまったく違います。直近の第32回(令和8年7月)は学科54.8%・実技61.7%・同時受験45.8%でした(厚生労働省「第32回キャリアコンサルタント試験結果の概要」)。

学科は回による振れ幅が大きく、実技は毎回60%台で安定します。そして公表値は、協議会とJCDAという2つの登録試験機関の合算です。学科は共通問題なので機関で差は出ませんが、実技は機関ごとに問題と採点が分かれます。

この記事の要点

  • 合格率は学科・実技・同時受験で別物。同時受験の合格率が一番低い
  • 直近5回で学科は54.8〜80.6%と振れ、実技は61〜67%台で安定(厚労省 各回の概要)
  • 学科は両機関共通問題・同一日。実技は機関ごとに異なるため、機関別の合格率は各団体が公表
  • 合格基準は学科100点中70点・実技150点中90点(キャリアコンサルティング協議会)
  • 受験資格は養成講習の修了か実務経験3年以上が主ルート。合格者の大多数は養成講習の修了者

目次

合格率は学科・実技・同時受験の3区分で分かれる

最初に押さえたいのは、合格率がひとつの数字ではない、という点です。学科・実技・同時受験の3区分に分かれて公表されるからです。

キャリアコンサルタント試験は、知識を問う学科試験と、面談力を問う実技試験からできています。実技はさらに論述と面接に分かれます。学科と実技は別々に申し込めて、合否も別々に出るしくみです。

だから厚生労働省の概要も、学科・実技・同時受験の3区分で合格率を示しています。第32回(令和8年7月)の数字は次のとおりです。

第32回(令和8年7月)の区分別の合格率

区分受験者数合格者数合格率
学科試験3,804人2,086人54.8%
実技試験4,434人2,736人61.7%
学科・実技の同時受験3,120人1,430人45.8%

出所: 厚生労働省「第32回キャリアコンサルタント試験結果の概要」(令和8年7月実施)。

ここで見落としやすいのが同時受験の合格率です。学科と実技を同じ回で両方受けて、両方に受かった人の割合を指します。第32回は45.8%で、学科や実技を単独で見た数字より10ポイント以上低くなります。

一度で資格取得まで届く人は半分に満たない、というのが実際の姿です。片方ずつ合格を積み上げる人も多く、学科か実技のどちらかに受かっていれば、その科目は次回以降に免除されます(厚生労働省「キャリアコンサルタントになりたい方へ」)。

合格率を読むときの3区分

  • 同じ試験でも、見る区分で合格率はこれだけ変わります
  • 1学科試験知識を問う四肢択一。第32回は54.8%。回による振れが大きい
  • 2実技試験論述と面接。第32回は61.7%。毎回60%台で安定している
  • 3同時受験学科と実技を両方受けて両方合格した割合。第32回は45.8%で最も低い

片方だけ合格した科目は、次回以降に免除されます

図:合格率は学科・実技・同時受験の3区分で別物として読む。

合格率の推移|学科は振れ、実技は安定する

学科の合格率は回ごとの振れが大きく、実技は60%台で安定します。1回分の数字だけで難易度を判断しないのが、ここでの大事な読み方です。

直近5回の合格率を、厚生労働省の各回の概要から並べます。いずれも2つの登録試験機関の合算です。

直近5回の合格率(厚生労働省 各回の概要)

回実施時期学科実技同時受験
第28回令和7年3月68.4%67.7%55.6%
第29回令和7年7月72.7%64.3%55.7%
第30回令和7年11月77.6%64.1%58.0%
第31回令和8年3月80.6%64.6%59.8%
第32回令和8年7月54.8%61.7%45.8%

出所: 厚生労働省「第28〜32回キャリアコンサルタント試験結果の概要」各回。

学科は5回のあいだに54.8%から80.6%まで動いています。第31回で80%台まで上がった直後に、第32回で54.8%へ落ちました。その回の問題の難しさで合格率が上下するため、過去の高い数字を見て「学科は通りやすい」と決めつけるのは危険です。

いっぽう実技は、同じ5回で61.7〜67.7%の範囲に収まります。面接とロールプレイで一定の水準を見る試験のため、学科ほど大きくは動きません。学科は回次で変わり、実技は安定して6割台と覚えておけば、数字に振り回されずに済むはずです。

2つの登録試験機関で合格率が違うのはなぜか

合格率を調べると、サイトごとに微妙に数字が違うことがあります。その多くは、協議会とJCDAという2つの登録試験機関のどちらを見ているかの違いです。

試験の運営は、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会(協議会)と、特定非営利活動法人日本キャリア開発協会(JCDA)の2団体が担います。受験者はどちらかを選んで申し込みます(厚生労働省「キャリアコンサルタントになりたい方へ」)。

ここで仕組みを分けて考えると、違いの理由が見えてきます。学科試験は、両機関が同一日・共通問題で実施する科目です。だから学科の合格率に機関差は出ません。いっぽう実技試験(論述・面接)は、機関ごとに問題と採点基準が分かれます。この違いがあるため、実技の合格率は機関によって差が出ることもある、というわけです。

2機関で同じところ・違うところ

  • 受験者は協議会かJCDAのどちらかを選んで申し込む
    • 学科試験は共通両機関が同一日・共通問題で実施する。合格率に機関差は出ない
    • 実技は機関ごと論述・面接の問題と採点基準が機関で異なる。合格率に差が出うる
    • 公表の仕方も別厚労省は2機関の合算を公表。機関別の数値は各団体が発表する

図:学科は共通、実技は機関別。だから機関別の実技合格率は各団体で確認する。

注意したいのは、厚生労働省が出す数字は2機関の合算だという点です(各回の概要の注記)。機関別の正確な合格率を知りたいときは、協議会またはJCDAの合格発表で、受ける予定の機関の最新回を確認してください(キャリアコンサルティング協議会「合格発表」)。どちらの機関でも取れる資格は同じ国家資格なので、実技の出題形式が自分に合うかで選ぶ人が多いです。

合格基準と配点から見る難易度

難易度は、合格率だけでなく合格基準で見ると実像がつかめます。何点取れば受かるのかは、登録試験機関が公表しています。

キャリアコンサルティング協議会の試験概要によると、基準は次のとおりです。学科は100点満点で70点以上、実技は150点満点で90点以上が合格ラインです。実技にはもう一段の条件があり、論述が配点の40%以上、面接は「態度」「展開」「自己評価」の各区分で満点の40%以上を取る必要があります。

学科・実技の形式と合格基準(キャリアコンサルティング協議会)

区分形式・時間合格基準
学科四肢択一50問・100分100点満点で70点以上
実技(論述)記述式・50分論述+面接の合計150点満点で90点以上。加えて論述は配点の40%以上
実技(面接)ロールプレイ15分+口頭試問5分面接は態度・展開・自己評価が各40%以上

出所: キャリアコンサルティング協議会「試験概要」。

数字の面でも裏づけがあります。第32回の平均点は、学科69.3点・実技91.0点でした(厚生労働省「第32回キャリアコンサルタント試験結果の概要」)。実技の平均が合格ライン90点とほぼ重なるため、実技は合否が分かれる境目で多くの人が競る試験だと分かります。

学科は知識を正確に覚えれば届きます。実技は、面接のロールプレイで一定の対応を示せるかが壁になりやすい、というのが難易度の実像です。対策としては、実技の面接練習に時間を割くのが現実的です。

受験資格と、資格ルート別の合格状況

受験には資格要件があり、思い立ってすぐ受けられるわけではありません。主なルートは2つです。

厚生労働省の案内では、受験資格は次のいずれかです。厚生労働大臣が認定する養成講習を修了する、または相談の実務経験が3年以上ある。このほか、技能検定キャリアコンサルティング職種の学科か実技に合格した人なども対象です(厚生労働省「キャリアコンサルタントになりたい方へ」)。未経験から目指す場合は、養成講習の修了が主ルートになります。

実際の受験者も、養成講習の修了者が大多数を占めます。第32回の学科試験では、受験者3,804人のうち3,425人が養成講習の修了者でした。ルート別の内訳を、同概要の受験資格別の数字から整理します。

第32回 学科試験の受験資格別(厚生労働省の概要より)

ルート受験者数合格者数合格率(受験者数から計算)
養成講習の修了3,425人1,898人約55%
実務経験3年以上378人188人約50%

出所: 厚生労働省「第32回キャリアコンサルタント試験結果の概要」。合格率は受験者数・合格者数から当方で算出。

養成講習の修了者と実務経験者で、学科の合格率に極端な差はありません。どちらのルートでも、学科の知識と実技の面接対策を、自分で積み上げる必要があるという点は変わりません。

受験料は学科8,900円、実技29,900円で、両機関とも共通です(厚生労働省「キャリアコンサルタントになりたい方へ」)。養成講習の受講料まで含めた総額は、別途まとまった費用がかかります。費用の全体像はキャリアコンサルタント資格の費用はいくら?で確認してください。

合格率をどう受け止め、何から準備するか

ここまでの数字を、受験の準備につなげて整理します。合格率は「今の自分にとって高いか低いか」ではなく、どの区分をいつまでに通すかの計画材料として使うのが実際的です。

同時受験で一度に通る人は半分に満たないので、学科と実技を分けて計画する前提で考えると無理がありません。学科は回による難易度の差があるため、確実に70点を超える知識の仕上げが要ります。実技は60%台で安定するぶん、面接のロールプレイで評価区分の基準を満たせるかどうかが勝負どころです。

受ける登録試験機関を決めるときは、学科が共通である一方、実技の出題形式が機関で違うことを踏まえて選びます。機関別の合格率や実技の形式は、協議会とJCDAそれぞれの発表で、受ける予定の最新回を確かめてください。

学習を始める段階なら、どの講座から手をつけるかで迷う人も多いはずです。リスキリング全体の中での位置づけはリスキリング講座おすすめ比較で俯瞰できます。

よくある質問

Q1:キャリアコンサルタント試験の合格率はどのくらいですか?

直近の第32回(令和8年7月)は学科54.8%・実技61.7%・同時受験45.8%でした(厚生労働省の試験結果の概要)。学科は回による振れが大きく、実技は毎回60%台で安定しています。1回分の数字だけでなく、複数回の推移で見るのが安全です。

Q2:学科と実技では、どちらが難しいですか?

合格率だけ見ると回によって前後しますが、実技で合否が分かれやすい傾向があります。第32回の実技の平均点91.0点は、合格ライン90点とほぼ重なります(厚生労働省の概要)。面接のロールプレイ対策に時間を割くのが現実的です。

Q3:協議会とJCDAで合格率は違いますか?

学科は両機関が共通問題・同一日で実施するため差は出ません。実技は機関ごとに問題と採点が分かれるので、合格率に差が出ることがあります。厚生労働省の公表値は2機関の合算なので、機関別は協議会・JCDA各団体の合格発表で確認してください。

Q4:合格には何点必要ですか?

学科は100点満点で70点以上、実技は150点満点で90点以上が合格ラインです(キャリアコンサルティング協議会の試験概要)。実技はさらに、論述が配点の40%以上、面接は態度・展開・自己評価の各区分で40%以上という条件もあります。

Q5:受験資格がないと受けられませんか?

はい。養成講習の修了か、相談の実務経験3年以上などが受験資格です(厚生労働省の案内)。未経験から目指す場合は養成講習の修了が主ルートで、第32回でも受験者の大半が修了者でした。講習の選び方は養成講習の費用比較の記事で扱っています。

Q6:一度で学科と実技の両方に合格できますか?

同時受験で両方に通る人は、第32回で45.8%でした(厚生労働省の概要)。半分に届かないため、片方ずつ合格を積み上げる人も多いです。学科か実技のどちらかに受かれば、その科目は次回以降に免除されます。

まとめ:合格率は区分と回次をそろえて読む

キャリアコンサルタント試験の合格率の見方を、最後に整理します。

この記事のまとめ

  • 合格率は学科・実技・同時受験で別物。第32回は54.8%・61.7%・45.8%(厚労省の概要)
  • 直近5回で学科は54.8〜80.6%と振れ、実技は61〜67%台で安定
  • 学科は両機関共通問題、実技は機関別。機関別の合格率は各団体の発表で確認
  • 合格基準は学科70点・実技90点。実技は平均点が合格ラインに近く、面接が壁になりやすい
  • 受験資格は養成講習の修了か実務経験3年以上。合格者の大多数は養成講習の修了者

数字に振り回されないコツは、どの回の、どの区分か、どの機関かをそろえて読むことです。そのうえで、学科は知識の仕上げ、実技は面接の練習、と分けて準備すれば、合格率という数字は自分の計画に落とし込めます。

講座や費用まで含めた具体的な進め方は、養成講習の費用比較とあわせてご覧ください。

免責事項

※本記事は国家資格キャリアコンサルタント試験の公開情報をもとにした整理です。合格率・合格基準・受験資格・受験料は回や年度で変わるため、最終的な受験の判断は厚生労働省および各登録試験機関(キャリアコンサルティング協議会・日本キャリア開発協会)の最新情報をご確認のうえご判断ください。


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この記事を書いた人

Fujimotoです。企業の人材開発と研修運営に7年間携わり、働きながら新しいスキルを身につけて転職や社内異動につなげたい社会人の相談を、500人以上受けてきました。

「何を学べば食いっぱぐれないですか」とよく聞かれましたが、続く人と途中でやめる人の差は、教材の良し悪しよりも、学んだ先に転職や副業といった出口を描けているかどうかでした。私自身もWebマーケの講座やMOSを受け、専門実践教育訓練給付金を使って受講料の負担を抑えた経験があります。このサイトでは、講座選びと給付金の使い方を具体的にまとめています。給付率や対象講座は変わることがあるので、申請前に厚生労働省の最新情報もご確認ください。

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